他社が手掛けた物件を「自社で建設」と
HPに載せていた佐藤建設の行状! (2)

□工事経歴書で判明した佐藤建設の実質着工数

他社が手掛けた物件を「自社で建設」とHPに載せていた佐藤建設の行状!(1)にも、記したように“パクリ”が判明
した佐藤建設の、新築施工物件。

他にも他社が手掛けた物件を、平然と「自社ブランド」に塗り替えている物があるのでは、と私は考えた。そこで、佐藤建設
の着工棟数が分かる「工事経歴書」が綴られている、「建設業許可申請書・更新」情報を入手する事にした(図1)。

この書類は、国や県から許認可を得て、建設会社を経営している会社は、大手や零細を問わず、所管の行政府に「事業
年度事に」届けなくては成らない代物。会社の役員構成や略歴、賞罰をはじめ、様々な情報が盛り込まれている。大げさ
に言えば、私たち建築主とって、第一級の資料ではないだろうか(笑)。

さすがの佐藤建設も期末ごとに遅れながらも提出していた様だ(笑)。綴りに添付されていた佐藤州彦社長の直筆「始末
書」一枚を見ても、同社の姿勢というものが、如実に推察できる。係りの職員によれば、「(佐藤建設は)始末書の枚数は
多かった」という。

思うにレポート用紙に走り書きではなく、せめて、「便箋」を使うとかの配慮がほしいものだ。

佐藤建設は始末書の提出が多かったという


さて、私は佐藤建設の最新情報である「平成18年度・更新手続き」の物が、入手する事ができた。
なお、この書類は他に「貸借対照表」や「損益計算書」等の財務諸表まで添付されている。その会社の負債まで知ることが
可能である。

一応、“インチキ”は出来ない仕組みにはなっており、建設業者としては、建築主に見られたくない書類だろう(笑)。

図1 「佐藤建設」の建設業許可申請書・更新」分。この書類の存在にもっと早く気が付けば良かったと思うと、残念でならない

「建設業許可申請書・更新」情報に綴られている「工事経歴書」には、 注文者(建築主)、「元請か下請けか」の区別、「工事
名称(○○邸)」や工事現場、等を記入する様になっている。なんと「請負代金」の額まで記入しなくてはならないのだ。

それでは、佐藤建設の「平成16年」の取扱い件数を確認してみよう(図2)。7件の受注があった事が分かるが、そのうちの一
つは、「八宝ビル改装工事」と個人住宅ではなかった。つまり、佐藤建設は「平成16年には個人住宅を6件しか建てていな
いこと
」に、なってしまうではないか。

図2 平成16年に佐藤建設では6件の個人住宅しか建てていない計算だ

一棟は他社が手掛けた物件である事は判明しているが、まだ、沢山の、イカサマがあるのだろうか。もう一度、佐藤建設ご自慢
のホームページ
をのぞいてみよう。

×印は、他社が手掛けた物件を「自社で建設」とHPに載せていた佐藤建設の行状!(1)で、判明した他社施工の物件で
ある。

図2 「工事経歴書」の棟数と大幅に合わない。パクリは数知れずなのか

その前に、佐藤建設のホームページに掲載されている○○邸の姓名を調べなくてはならないが、これはいとも簡単な方法で知ることが
できた。ここでは、明かせないが特別な方法ではないのでご安心のほど(笑)。

しかし、こんなこ簡単にホームページ上で、居住者の姓が判別できるとは、思わなかった。これは、個人情報の流失では、ないだろうか。
杜撰な「管理」は、ご自慢のホームページにまで及んでいたとは驚きである。

平成16年の佐藤建設、「工事経歴書」と同社のホームページの施工例を照らし合わせてみたので、ご覧いただきたい。「工事経歴書」の
欄外に書かれている算用数字は、施工例の各数字に該当しています。

×印は公文書である「工事経歴書」に記載が無い、佐藤建設の新築施工例です。

なお、フルネーム、請負代金の額は「モザイク」処理をしました。

何と、アイキャッチャー(人目を引くもの)の部分の建物は佐藤建設の施工では無いことも、今回分かったのです。×印の物件は
目立つ所にレイアウトされていると思いませんか。

もし、『ホームページで見た伊豆高原の○○邸を内覧したいのですが』と、言われたら佐藤建設は一体、どの様にしてごまかそう
したのでしょうか。大変、気になる所である。

ページの締めくくりとして、佐藤建設がローカル紙「伊豆新聞」の一面に内覧会の広告を出稿した際の画像を掲載しましょう。広告
料金は調べたところ、10万5千円也。佐藤建設が、「老舗の底力」を見せた瞬間ではないだろうか(笑)。

気になるのは広告に「おかげさまで11棟目」と、書いてある事。ご興味をお持ちの方は、本当かどうか実際に調べてみてはいか
がでしょうか。

この佐藤建設の広告が出されたのは、2008年3月15日の事ですが、弊サイトがオープンしたのはそれから一月後の事でした。
今や、日本で一番“有名な”建設会社に急成長した佐藤建設です(笑)。

それにしても顧客を獲得をするには、棟数で勝負ではなく、「信用と誠意、それと品質が第一」なのではと、思いますけど。鍍金
はいつかは、剥がれますからね・・・。

静岡建築士会・伊東支部の理事であり、伊東建設業協同組合の技術員の佐藤州彦のパクリ。呆れるばかりの行状の闇は深
い――。


*ページ内で敬称は略しました。



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