行政庁も絶句! 基礎が地盤面からはみ出すなど
基準法を大きく下回る杉浦建設の問題施工(3)

□「伊東ブランド」の疑惑の基礎で生命財産をガードします

杉浦建設の手掛けた「伊東ブランド」。悪辣施工業者の佐藤建設とは、また一味違う様です。
杉浦建設は、佐藤建設と違い「何処と無くスマート」さが施工に漂っています(笑)。

どちらにせよ、めちゃくちゃな施工なのは間違いはありません(笑)。杉浦建設の施工写真も、
関係省庁に渡してあるのですが、技官の方は「(佐藤建設と)似たり寄ったりですね」と、苦笑い
していました。

さて、水準以下の「基礎」は現場では、現在、どの様になってるのか。写真を見てみましょう。

「伊東ブランド」は、基礎に「あご」と呼ばれている突起を省略しています。

本来ベタ基礎といわれる基礎構造体は、図1の様な形状です。ベタ基礎スラブ面に布基礎から
突き出たあごが付いた基礎です。

この「あご」の部分と布基礎部のフーチング面を広げたスラブにし、建物の接地圧を分散させ、一
部分の不同沈下と布基礎のたわみを防ぐ事が可能で、沈下を均等化することができるのです。

また、剛構造となるため構造体自体の強度は、布基礎よりも高いのですが、「伊東ブランド」で、
それらを望むことは、無いものねだりと言えるでしょう。

写1 ベタ基礎はスラブ面に布基礎から突き出た「あご」のあるのが、本来の姿です。「伊東ブランド」では「あご」は省略される様です。本来ならこの「あご」の部分と布基礎部のフーチング面を広げたスラブにし、建物の接地圧を分散させ、一部分の不同沈下と布基礎のたわみを防ぎます 図1 上はあるべき、ベタ基礎の断面図。左の画像と比べて「伊東ブランド」がどれだけ簡略化されているのか、お分かりでしょうか

写2 立ち上がり部分のジャンカ。打設されたコンクリートの一部に粗骨材が多く集まってできた空隙の多い、構造物の不良部分。うれしい事に「伊東ブランド」は、標準仕様の様で、数多く存在します! 写3 基礎から「木の葉の化石」発見!? そんなわけがありません。何と、作業員のゴム手袋でした。この様な不純物があると、コンクリートの強度が落ちます。杉浦建設からの素晴らしいプレゼントの一つ


写4 約20センチにわたって、亀裂が入っています。これも、標準仕様? 写5 亀裂2題。「伊東ブランド」杉浦バージョンの標準仕様らしい

□「伊東ブランド」はかぶり厚まで不足しています!

鉄筋コンクリートは、「鉄筋のかぶり厚さ」と呼称される物を確保する必要があります。これは、鉄筋
廻りにどのくらいの厚さのコンクリートが、被っているかを指す言葉です。

これには、基準があって、基礎(底盤部)では、60ミリ、布基礎立ち上がり部では40ミリと規定されてい
ます(建築基準法施行令第79条)。

このコンクリートの厚さが、鉄筋コンクリートの耐久性に大きく関わってくるのです。

鉄筋は鉄なので酸化して錆びます。コンクリートは強アルカリ性で、鉄筋の廻りに定着することで鉄筋
が錆びないようにしてくれています。しかし、いつまでもアルカリ性を保っていけるというものではありま
せん。

空気中の炭酸ガスと触れることにより、中性化が進んで行くのです。すると、鉄筋を酸化から守るア
ルカリ分がなくなってしまいます。それでも、乾燥していれば錆びにくいのですが、コンクリートにもあ
る程度は水がしみるため、「かぶり厚」が足りないと、鉄筋にまで水分が達してしまうことになります。

一度、錆び始めると、鉄筋の容積が増えるので、固まったコンクリートの中で、広がろうとします。コン
クリートは引張強度が、圧縮強度の1/10程度しかありませんので、鉄筋の膨れを支えられなくなりま
す。そして、ポコッと剥がれてしまうのです。

これを一般に、「爆裂現象」と呼んでいます(写6、7)。

こうなるとその部分から更に錆が進行し、鉄筋コンクリートとしての強度は、激減します。建物の耐久
性を考えたときには、大問題になるのです。

参考ですが、首都高の古い路線では、その現象を簡単に見ることができます。防音フェンスや照明
器具が取り付けてある腰壁部分に、錆びた鉄筋が、縦に何本も露出し、その周囲のコンクリートが
はがれているのが「爆裂現象」そのものです。

写6 鉄筋が顔をのぞかせています。「伊東ブランド」の底力が成せる業でしょうね 写7 次の「爆裂現象」が起きるのはこの辺りだろうか。錆汁が流れています


*ページ内で敬称は略しました。


行政庁も絶句!基礎が地盤面からはみ出すなど 基準法を大きく下回る杉浦建設の問題施工(4)

inserted by FC2 system