■ぶらり途中下車・伊豆急行線の旅〜巨匠の作品をたずねて■

「秘密主義」を貫く巨匠・菊間建築士。殖産浮山温泉株式会社で、手渡された巨匠のレジュメを見て私は「??」を連発してしまいました。建築士なら、手がけた作品の「写真」を見せるのが本来の姿でしょう。

しかし、巨匠は「箇条書き」により、作品を紹介するだけで、写真は一葉も無かったのです。両親は、実物を見たいと懇願しても、「そのうちに」と言うだけ。仕方が無いので、私は巨匠の作品を全て、調べ上げる事にしたのです。

中には、レジュメに書かれた作品の「名称」と実際に建てられた構築物の名称は、“故意に少しづつ”変えられていたりして、調べは手こずりました。「移住者」には、分からないように「作為」とも取れる手法で、記されていたのです。まるで「謎解き」でした。レジュメをご覧いただければ分かると思いますが、どれも所在地が明記されていないのです。

そんなに、自分の手掛けた作品は、よそ者の「移住者」には見せたくなかったのでしょうか。私は巨匠の思考回路が本当に理解が出来ませんでした。

それにしても作品のリストに「伊豆高原プラザ」、と書かれてるのにはビックしましたね!

この一行を見たら誰でも「伊豆高原“やまも”プラザ(伊豆高原駅)」の事と、錯覚してしまいます。ウソや大げさ、誤解をまねく書き方は、巨匠流のテクニックの一つなのでしょうか――。

そうそう、巨匠、「シャーレ今井浜」は、なかなか素晴らしい“ペンション”でしたよ! 友人は高級リゾートホテルの様なネーミングだね、と、素直に感想を述べていました。

それでは、巨匠が手がけた秀作の数々をご覧下さい。簡単ですが、「ガイドブック」的なコメントを入れさせていただきました。

あなたも、この夏休みは、伊豆急行線に乗って、ぶらりと巨匠の作品を見学しませんか?
ここに紹介した作品群は、公共の建物以外は、奇しくも巨匠の学友もしくは、身内の紹介で「設計」を受注したと言う事が分かりました。

知人関係は「しっかり仕事」をするのかな。

巨匠のインチキの被害に遭ったのは、拙宅と他に一軒。両者とも、「移住者」という図式ですからね。

なお、レジュメには個人宅が4件ほどありましたがここでの紹介は、割愛させていただきます。ご了承下さい。

もし、写真家に仕事を頼む時、「得意のジャンルは風景写真です。作品・“富士山の夕景”」と文字だけで書かれたレジュメを持って来たら、貴方はその写真家に仕事を依頼しますか?

巨匠のレジュメの一部・コメントに窮します――


閑静な住宅街、伊東市Y町にある「お好み焼き○×」。2階が居住スペースになっている。全国から集めた19種類の梅酒が楽しめるという。平成8年頃、竣工。最寄駅・伊東駅。


つり橋で全国的に名をはせる城ヶ崎にある、「城ヶ崎オレンジ村」。3千坪の広さを誇るこの農園では、10月1日から5月末まで、なんと3百円でオレンジが食べ放題!! 観光客に人気のスポット。平成7年頃、竣工。最寄駅・城ケ崎海岸駅。

巨匠の頭の中には“商業ビル”という位置づけの、「CVAビル」伊東市T町。伊東市内をネットしているケーブル・テレビ局の本社が3階にあり、1階が駐車スペースと居酒屋で、2階が居住区になっている。“商業ビル”と言えば、私は「ランドマーク」や「表参道ヒルズ」等が思い浮かびますが、巨匠は自分が手掛けたモノは、「誇大表示」する傾向が強い様です(笑)。JAROに言わなくっちゃ!

公募により、巨匠の作品が栄えあるグランプリに輝いた「伊豆新聞 本社屋」伊東市K町。伊東市内在住の建築士、10数人の中から選ばれたと言う。受賞の理由は、クライアントの「希望に沿っていた」からとか。“ゼネコンOB”数人からなる審査員のお目に留まったのだから、さすが巨匠である。

    ↓巨匠の作品ではありません!↓

巨匠のレジュメに書かれた“作品リスト”には、「写真の添付」も無く、施設の名称も、正確に記されていませんでした。「建築士の履歴書」とも言える、作品リストですよ。しかし、紛らわしい書き方で、「有名な建築物」はリストにありました。「伊豆高原プラザ」って、書かれていたんですから。「あの、伊豆高原“やまも”プラザ!」って勘違いする方が悪いのでしょうか。それにしても、騙しのテクニックは、古典的です(笑)

伊豆高原散策の表玄関、伊豆急「伊豆高原」駅。拙宅は、ここから歩いて12分程の所に佇んでいます。「欠陥住宅」を見学しませんか。

巨匠曰く「伊豆高原プラザ」なのだろうか。「伊東市観光協会」に聞いても、「いずこうげんぷらざ」は、ありませんが「いずこうげんやまもぷらざ」は、ありますよ、と親切に教えてくれました。
四季を通じて大勢の観光客で賑わう、伊豆高原にある「陶磁・ガラス美術館・やんもの木」。伊豆高原駅から徒歩4分の距離にあり、桜並木通りに面した建物は、人目を引く。入館料は大人900円が必要。平成8年頃、竣工。

伊東市N町の海岸通りで、一際目立つ「油正(あぶしょう)酒店」。オーナーがデザイン一つひとつを指示し、巨匠は“デザイン”には、ほとんどタッチしていないとか(笑)。室内は某大手会社が企画・デザインをしており、「酒店」というより、「リカーショップ」と言った方が良いだろう。耐震構造を重視した設計。平成8年頃、竣工。

伊東市桜木町にある、「伊東市・消防本部」。平成12年4月に竣工の建物で、巨匠ご自慢の作品の一つ(と思う)。鉄筋コンクリート造り、5階建。消防本部コミュニティー防災センターが併設されている。「役所」の機関でも、ここは、暇な方がありがたいです。

伊東市M町にある、巨匠を熱く推薦する「丸×建設」本社屋。車2台分のビルトイン・ガレージがご自慢で、駐車スペースの奥に“事務所”が置かれている。1階は鉄骨、2階3階は“2×4”で施工されている。同社は、熱海自然郷小松分譲地で広範囲に業務を展開していたと聞く。平成8年頃、竣工。

↓巨匠の作品ではありません!↓          

伊豆急・伊豆高原駅「やまもプラザ」。1994年竣工。建築・室内設計監理とも、東京に本社を置く「○光×画設計」によるものです。伊豆急で確認したところ、「はぁ? (実績もない)設計事務所になんか発注しませんよ」と、爆笑してました。それにしても、巨匠はどうして、「作品を詐称(?)」をしたのでしょうか。誰でも知っている(と思われる)、「伊豆高原駅」を設計したと誤解を招くような書き方。「伊豆高原プラザ」という、紛らわしいネーミングには唸りました。う〜ん、これもJAROに言わなくっちゃ!

コンコース部分では、年間を通じて、様々なイヴェントが開かれます。「建築確認済証」を取得後、こっそり寸法を変え、部材の変更も平気でする巨匠・菊間建築士では、この様な設計は手掛けたく無いのでしょうね。



あなたもこの夏休みは、「伊豆急線」に乗って、巨匠の作品をたずねてみませんか?

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